2010年11月20日土曜日

Inbreeding

インブリードは、よく競走馬で行われます。

4代前の祖先と3代前の祖先が同じ馬の場合、奇跡の血量18.75%と呼ばれ、過去にたくさんの名馬を輩出しています。その馬から5代前以内に同じ馬がいる場合にインブリード(近親交配)と呼ばれます。

しかし、犬の場合は、それをラインブリードと言って、犬の場合のインブリードとは、親子や兄妹で交配する極端な近親交配のことをインブリード言います。

インブリードもラインブリードも、近親交配は、劣性遺伝子を固定化して、遺伝させたい犬の特徴を残します。しかし、極端な近親交配は、体が弱い子犬が産まれたり、情緒がおかしくて狂った子犬が産まれることがあります。

闘犬種の土佐犬やピットの場合、狂った凶暴な犬になってもいいから、良い犬の劣勢遺伝子を固定化するために、親子、兄妹などの交配が行われるようですが、ショードッグやペットで飼う犬にも行っている方々がいらっしゃるようです。

FCI(JKC)では、親子、兄妹の交配は認められていませんから血統書は発行されませんが、UKCやABKCではどうなんでしょうか(今度調べてみますが、たぶんダメだと思います)。日本で、物凄くクオリティの高いブリースタイルのピットブルを輸入されている方々の中で、よくインブリードを行っている方々がいらっしゃるようです。

もちろん、様々なことを考えた結果、肉体的、情緒的におかしな子犬が産まれる可能性があるということはわかった上で、それでもインブリードがいいんだ。ということで行われていることだと思いますが、物凄く良い犬たちをたくさんアメリカから輸入されているようなので、インブリードを行わなくても、ラインブリードでもいいんじゃないかな。と思いますが、いかがなもんでしょうか。ラインブリードでも、十分近親交配ですし、劣性遺伝子が固定化されます。

奇跡の血量18.75%というのは、犬にも当てはまるんじゃないかな。と思います。

また、野生動物でさえ、子供が成長したら、わざと親が理不尽に攻撃したりして、親子、兄妹をバラバラに引き離します。極端な近親交配を避けるためです。人間だって、怖くて言葉にもしたくありませんが、親子、兄妹で子供を作ったりはしません。子孫を残すために人間には誰にでも性欲があるのに、それだけは、自然にそういう気持ちにならないようになっています。

つまり、犬の世界で言われるインブリードという極端な近親交配というのは、自然の摂理から逸脱した、人間の身勝手な行為のように感じてしまいます。まあ、私が知らないだけで、いろんな遺伝子の法則があって、犬の場合はそういうインブリードを行ってもかまわない。というようなことがあるのかもしれませんが、みなさんはどのようにお考えでしょうか。これは、ブリーダーさんなら一度は考えたことがある問題だと思います。やっぱり、できるだけ良い子犬が産まれてきてくれたほうが嬉しいですからね。



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